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ユノミズム

オーディオ、音楽、投資ネタ

3月のエソテリック新譜が届いたので聴いてみた その①〜アルゲリッチ編〜

オーディオ 音楽ソフト

エソテリックから名盤復刻シリーズの新譜がリリースされました。私はこの名盤復刻シリーズが大好きでリリースされるたびに毎回購入しているものです。今回は2回に渡り、その魅力をご紹介したいと思います。

CD情報

演奏 マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
指揮 クラウディオ・アバド
オーケストラ ロンドン交響楽団
録音 1968年2月9日〜12日 ロンドン ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール

収録曲

フレデリック・ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ長調 作品11

  1. 第1楽章 アレグロ・マエストーソ
  2. 第2楽章 ロマンス(ラルゲット)
  3. 第3楽章 ロンド(ヴィヴァーチェ)

フランツ・リスト ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調 S.124

  1. 第1楽章 アレグロ・マエストーソ
  2. 第2楽章 クワジ・アダージョ~アレグレット・ヴィヴァーチェ~:クワジ・アレグロ~アレグレット・ヴィヴァーチェ~アレグロ・アニマート
  3. 第3楽章 Aアレグロ・マルツィアーレ~アレグロ・マルツィアーレ・アニマート

マルタ・アルゲリッチというピアニスト

私がマルタ・アルゲリッチという稀代のピアニストを知ったのは、彼女のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を聴いた時からでした。彼女の演奏は女性とは思えぬ力強いタッチと豪快さが特徴で、スリリングでドラマチックな演奏をしてくれます。ロマンチックでドラマ性に溢れるロシア音楽を表現するには、彼女はうってつけのピアニストと言えましょう。こちらも名盤ですので、是非一度聴くことをオススメします。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番

このラフマニノフの演奏は1982年、本盤はそこからさらに14年前、1968年の演奏です。彼女が26歳のときの演奏で、ショパン・コンクールで優勝した1965年の3年後に録音されたものです。まさにデビュー直後のノリに乗ったときの演奏といえます。

クラウディオ・アバドとの共演

対する指揮者のクラウディオ・アバドは、当時は34歳という若さです。彼がデビューしたのは1960年のミラノ・スカラ座のガラ・コンサートですので、こちらも若き精鋭といったところでしょうか。才気溢れる若き2人がタッグを組み、お互いの持てる力がぶつけあう…その爆発的エネルギーが名盤と言われる本盤を産んだのでしょう。

このCDの聴きどころ

まずショパンのピアノ協奏曲から。第1楽章は颯爽とはじまり。そこにアルゲリッチのソロ演奏が入ります。第1打の緊張感に満ちた旋律から、ショパンらしい哀愁味溢れるメロディーへと移行してゆきます。ドラマ性に富み、スピーディーなところは流水のごとく自然な流れで、演奏の難しさを感じさせません。
第2楽章は一転して膨よかで優しさに満ちたメロディーです。ここではアルゲリッチの透明な音が際立っていて、水底で水面から差し込む光を見るような感じでしょうか。揺らめきで光の表情が刻々と変わってゆくのがわかります。
第3楽章はどうでしょう。アルゲリッチらしさが前面に出ていると言えます。躍動感にあふれ、軽やかにそして心地良く響くのが特徴です。アルゲリッチの演奏にあわせるようにアバドの指揮も軽快です。まるで音が弾んで子供のように駆けまわるようですね。

トラック4からはリストのピアノ協奏曲が収録されています。第1楽章の冒頭はいきなり鉄のハンマーで殴られたかのような重厚感のある出だしです。この力強く重厚感の有る出だしは、ちょっと聴くとリヒテルが弾いているかのようにも錯覚します。
第2楽章は冒頭部はしっとりと、途中からはとても熱情的になります。荒れ狂うような打鍵で野性的でもありますが、全体の構成を乱さず正確な演奏を心がけているようです。
第3楽章は爆発的です。アルゲリッチの演奏のスピードは更に速くなり、それに応えるかのようにオケの演奏も熱を帯びて進んでゆきます。最後は怒涛のようにピアノの音とオケの音が入り乱れ、大爆発して終わりを迎えます。

まとめ

今回はアルゲリッチアバドショパン・リストピアノ協奏曲をレビューしてみました。ショパンのほうはCD盤も持っているのですが、SACDの本盤は音がより立体的になり、定位感に優れているようです。SACDということを抜きにしても、名盤だけあって歴史に残る素晴らしい演奏です。ご興味を持ったお方は、これを機会にご購入されてみてはいかがでしょうか?